-恐怖夜話-



我が坂田家は、工事現場の監督などと言う父の職業柄転勤が多い。


転勤族も慣れればそれなりに知恵がつくもので、引っ越し荷物も必要最小限で普通の家庭よりも少ない。


故に、夕方の四時を回る頃には、石崎兄弟と言う頼もしい助っ人二人のお陰で、引っ越し荷物は新居の302号室に運び終えてしまった。


今は、ダイニングキッチンで、運び込んだ白木のテーブルを三人で囲んで、私が買ってきた自販機のジュースで喉を潤している所だ。


「それにしても、ただのぎっくり腰でって言っちゃ何だけど、大事にならないで良かったね」


石崎兄・政志さんがニコニコ笑顔で話題を振ってくれる。