「夢……だったのか?」
「え?」
武士の呟きに、私は息を呑んだ。
まさか、武士も同じ夢を見ていた――?
「いや、何だか山にハイキングに来て、落石に巻き込まれて死んだ……みたいな、妙にリアルな夢だったんだが……」
「私も……」
「え?」
「私も、同じ夢を見てた……」
ごくり。
私は武士と顔を見合わせ、恐怖と疑問の入り交じった唾を飲み下した。
コンコン!
あ、そうだ、ノック音!
再び上がったノック音にハッと我に返り、二人同時にカーテンの隙間から窓の外に視線を送る。
そこには、ニコニコと人の良さそうな笑顔を浮かべたおじいさんが立っていた。



