-恐怖夜話-


『幽霊』と言う単語が、脳裏に浮かんでは消える。


すうっ。


音もなく二人が近付いてくる。


1メートル。


距離が詰まる。


「う……あっ」


――武士!


すぐ隣に居るはずの武士の名前を呼ぼうとするけど、声が出ない。


50センチ。


必死で、手を動かそうとしたけど、微動だにしない。


そして。


ぶつかる!?


そう思った瞬間、全身を貫く痛みに似た衝撃を感じて、私の世界は闇に包まれた。