武士も寝付かれない様子で、隣で盛んに寝返りを打っている。 「何だか、寝れないね……」 「ああ……」 眠れないとなると、とことん眠れないのよね……。 何度目かの寝返りで私の方を向いた武士が『はあーっ』と、大きな溜息をついた時だった。 『ジャリッ』 車のすぐ近くで、音がした。 そう思った次の瞬間、車の中の空気がピリピリと張り詰めるのが分かった。 ジャリッ――。 又、音が上がった。