-恐怖夜話-



こう言うシチュエーションって苦手だなぁ。


心で愚痴りながら、私は入り口近くの壁についた電気のスイッチを手で探る。


カチン。


触れたスイッチを入れてみると換気扇だったらしく、からからからとファンのモーター音がトイレの中に低く響いた。


んじゃ、これかな?


と、今押したすぐ下のスイッチを入れる。


カチン。


何も反応がない。


カチン、カチン。


配線の接触不良のためだったのか、何度目かでやっと電気がついた。


眩しい程の蛍光灯に照れされたトイレの中は、可愛く淡いピンクで統一されている。


思いの外、掃除が行き届いていて綺麗なことにほっとした。


「おっと、トイレトイレ!」


見とれている場合じゃ無いことを思い出した私は、三つある個室のうちの一番手前に慌てて駆け込んだ。