-恐怖夜話-


車のドアを開けると、シンと張り詰めたような冷気が一気に車の中に流れ込んできて、思わずブルルと震えが走った。


「うひゃ、さすがもう夜は寒いねー!」


早く、トイレ行こう。


真面目にちびっちゃいそう。


小さな街灯の頼りない明かりだけが照らす暗い駐車場の中を、数十メートル先の休憩所に小走りに向った。


「うわっ、なんで電気付いてないかなぁ……」


省エネのためか、休憩所のトイレは明かりが落ちていて真っ暗だ。


トイレの入り口の常備灯だけが、かろうじて付いている。


ぼおっと、薄暗いトイレの中は当たり前だが人の気配はない。


柑橘系の消臭剤のキツイ匂いと、トイレ独特のツンとしたアンモニア臭の入り混じった何とも言えない匂いが鼻についた。