黒い黒い山陰。 そのすぐ上に輝く、妙に大きな青白い一番星。 それが、すうっと、下に落ちたのだ。 それも、山の向こうにじゃない。 こっち側。 私の、いる方に! な、なに!? 何で星が落ちるの!? 星は、 いや、私が星だと思った何かは、『ヒュー』とSの字に青白い『尾』を引きながら、どんどん下に落ちていく。 それはまるで特大の蛍を見ているよう――。