「その写真って、やっぱり心霊写真なの?」


「……まあな。人間じゃない物が写って居ることは確かだろうな。それにしても……」


言い淀む従兄の顔に、


一瞬、私が今まで見たことが無い表情が浮かんだ。


それは確かに『恐怖』の表情――。


「俺も坊主なんて職業柄こう言う写真を何度か見たけど」


「見たけど?」


「こんなに禍々しい写真は初めてだ」


そして、次に従兄の口から発せられた言葉に、私は震撼した。


「お前、取り殺されなくて、良かったよ」


『取り殺す』、


普段の私なら笑い飛ばしているはずのその言葉が、


今ならば、あり得ないことではないと、理解できる。


触らぬ神に祟りなし――。


もう二度と、この手のことには首を突っ込むまいと、私は固く心に誓ったのだった。




    ―了―