-恐怖夜話-


「やれやれ……」


三人を見送った後私は、既に人気のない職員室に戻り、自分の指定席に座ると、『ふう』と一つ長い溜息をついた。


頬杖をついて、さっき預かった『例の写真とネガ』にしぶしぶ視線を落とす。


生徒達にはああは言ったが、実際『この手の話』は得意じゃない。


いや、はっきり言えば、嫌いだ。


特に霊感が有るわけではないが、『君子、危うきに近寄らず』が、モットーなのだ。


こう言う胡散臭い話には、出来ればお近付きにならないに越したことはない。


「しゃーない。あいつに頼むか」


不本意丸出しでそう呟くと、他の職員がいないのを確認して、机の一番下の引き出しの化粧ポーチから、自分の携帯電話を取り出した。