日も傾きかけた、夕方。


いつものごとく、いつものように。


職場である、下校時間が過ぎた高校内の見回りをしていた私は、担任である2年4組の教室の手前で足を止めた。


教室内に、人の居る気配がする。


それも複数だ。


耳をそばだてると、何やら賑やかな声が聞こえてきて、思わず苦笑いが出る。


物騒なこのご時世。


用のない生徒は早く帰宅するように指導しているが、


必ず一人や二人はこう言う生徒が残っている。


まあ、それを確認するための、見回りでもあるのだけど。


この声は、あの三人だな?


生徒の目星をつけて、私は教室のドアをガラリと開けて、中を覗き込んだ。