見覚えがある、私たち三人の写った楽しげな記念写真。 観光スポットの滝の前で、肩を寄せてピースサインをする雅美と私、二人の間に写り込んだ見知らぬ少女。 間違いなく、今日、担任の先生に預かって貰ったはずの『私の写真』だ。 だけど、 明らかに、『何かが違う』。 逆立ち、まるで蛇が群がるようにウネウネと画面一杯に広がる、長い黒髪。 細面の、能面のような白い顔。 異様に大きな赤い唇は、色彩の少ない画面の中で妙に鮮やかで禍々しい。 その口が、『ニタリ』と笑っていた。 そして――。