【短編】運命の人



早く何とかしないと、奈津はまた違う男のものになるかもしれない……。

焦った僕は、とてもいい方法を思いついたんだ。



“……いっ……、イヤだよ! そんなことできないっ……”



ある日僕は、高校時代のクラスメートを呼び出した。

そいつは気弱な性格で、強いヤツには逆らえない。

高校の時、僕は何度かそいつをパシリに使ったりと、奴隷のように扱っていた。



“は? 断るのか?”



低い声で言いながら詰め寄ると、そいつはガタガタ震えながら涙をこぼし始めた。



“悪いようにはしねぇよ。ただ、この写真の女のバッグを奪えばいいんだ。俺が追いかけるから、後は適当にもみ合って、おまえは逃げるだけだ”