【短編】運命の人



彼女にお礼がしたい……。


そう思って、翌日の朝。

僕は、出勤ギリギリまで駅の入り口で彼女を待った。

だけど、その日は奈津に会うことができなくて。


毎日、毎日、同じ時間に。

僕は奈津を待ち続けたんだ。



そして……



「あの……っ。先日はありがとうございました」



待ち続けて、一週間ほど経ったある日。

ようやく奈津と出会えた僕は、思い切って声をかけた。