テディベアはしゃべらない

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お風呂場の天井に滴っている水が、少しずつ少しずつ玉になっているのを眺めると、いつのまにか、長い時間が経っています。

ボウッとしている意識を起こしてくれるのはいつも、そうして出来上がったしずくが、ぴちゃんと湯船に落ちる音でした。

なにかを考えていた――というほどでもないのですが、頭の中に延々リピートされるのは、あのカラスのような壮馬くんの声。

―― ひとつ訊くが ――

とても低くて、

―― お前 ――

なのに包容力のある声。

―― なにが楽しくてそんなに笑ってるんだ? ――