「どうするの?静奈。拓斗君また暴走して……って、え?」 困った男だよね、とけん制しようとしていた明日香を止めたのは……まさかの張本人である静奈。 同じく一晩考えて、出かかっていた答え。 誰にでも優しい拓斗を信じられなかった自分の弱さやワガママさ。そして……まだ残っていたらしい拓斗への想い。 だから 口をぽかんと開けたままの明日香を席に置いたまま、拓斗の隣へと歩み寄る。 「まだこの香りはあげられないけど……」