突然のキスなのに……どうして振りほどけないんだろう? 拓斗が何を言っているのかよく分からなくて。 だけど、嫌……とかじゃなくて。 触れた腕と唇から伝わる柔らかくて、あったかくて……懐かしい気持ち。 ひょっとしてずっと大切にされてた? あの頃、信じられなかったのは……自分だけだったの? どうして不安になったんだろう? どうして疑ったんだろう? どうして離れたん……だろう? 中学時代に急に戻ったみたいで、あの日の自分に何度も問いかける。 この目の前にいる優しい拓斗は……あの日の拓斗?