時間になって現れた拓斗はいつもの制服じゃなく、静奈が大好きだった可愛い系のシャツに身を包んでいて……。 それは少し幼くて、だけど綺麗な顔に良く似合っている。 いつかは……自慢の彼氏だった人。 「待たせちゃった?」 少し茶色い髪が風と共にふわふわと跳ね上がる。 その姿を見ていたら……根本的な疑問が湧いてきて。 思わず「今日はやめよう」の言葉よりも先に口をついて出てしまった。 「拓斗……何で?」 「……何でって??」 「拓斗は……何でこんなに私に構うの?」