「俺……どうしたら」
歩の言葉に頭をふるふると振り、現実逃避してしまいたいのに……浮かんでは消える誰かの隣で笑う静奈の姿。
幸せならまだ時間が解決してくれるかもしれない。
だけど……その先輩が噂通り静奈を軽い遊びの相手だと思っていたとしたら?
それを黙って見過ごすなんて、出来るハズがない。
アイツを泣かせるのは自分ひとりで十分で、他の誰にも傷つけさせるなんて事したくなくて。
どうしたらいいのか思案しているうちにあっという間に一日は過ぎ、困りきった拓斗の視界に入ったのは、ちょうど帰ろうとする明日香の姿だった。
そうだ……と一言呟くと、腰を上げる。
「明日香ちゃん」
「何?」
「協力して欲しいんだ。変なヤツが静奈を狙ってる……」



