勝手にハニーキス




「軽蔑したろ?」



「いや……なんとなく分からんでもない」



でもな、と歩が急に拓斗の耳元へと近付く。



「今の状況はよろしくないぞ」



「それも噂だろ?



「残念ながら、事実に近い噂……だな」」



戸惑いの表情を浮かべる拓斗に、歩は今朝の出来事を話す。遊び人で有名な2年の先輩が静奈と連絡を取り合ってるらしい……という事。



「けどっ!!静奈が興味を示さなけりゃ別にいいだけの話で……」



自分に都合のいいように解釈しようとする拓斗。



けれど、歩の冷静で重たい一言がのしかかる。



「お前なぁ……静奈ちゃんに限って、興味も無い男に連絡先教える訳無いだろ?」



一気に蒼白になる拓斗の表情を見て、歩は更に一言を告げる。



「見た目はマジメな優等生で通ってる先輩だし、案外静奈ちゃんが好きなのはそいつかもな」