「で、何が違うって?」
「その……私、センパイに用があって来たんですけど」
早くしないと授業が始まってしまう。腕時計の針も明日香を追い立てる。
「私の友達の事なんです」
「友達?」
「はい……静奈って言うんですけど」
そこまで口にした時、沼田があぁ、と声を上げ、明日香の顔を至近距離で覗き込む。
「せ……センパイ??」
直視する視線は免疫のない明日香には刺激が強すぎる。
「そういえば昨日すれ違ったよね。静奈ちゃんと同じぐらい可愛かったから覚えてるよ」
「そんなっ、可愛いなんて……」
更に赤面しながらも、沼田が思い出してくれた事でようやく明日香はほっと息を吐いた。



