「きゃあっ!!」 突然過ぎて声も出せない明日香と、叫ぶ静奈。 その声を聞きつけて、せめてもの罪滅ぼしと帰りにクレープを奢る予定になっていた拓斗が駆け寄ると…… そこにいたのは見も知らない相手の大きな体に捕らえられ、唇を奪われる静奈の姿。 それはたった一瞬。 それでも、拓斗にとっては永遠に思える位の長い長い時間。 「離せよっ」 考えるよりも先に体が動いていた。けれど、そんな頭に血の上った拓斗を残酷な目で見下ろす男。