だから大抵の人は近所で事件が起こってるとは思わない。
「朝だったし、怒鳴りあいでもしてくれれば良かったんだけどね」
「窓ガラスが割れた音は?」
「ガラスにセロテープを使った細工がしてあってね、そのせいで割れた音がしなかったのよ」
あたしは現場写真を達郎に見せた。
達郎は「なるほど」とうなずく。
「動機があってアリバイも穴だらけ。なのに逮捕できる証拠はなし。確かに、もどかしいな」
「そう、それなのよ」
あたしは手を叩いた。
「だから達郎、あんたの出番ってワケ」
つとめて明るく振る舞い腕なんか組んでみる。
すると達郎の穏やかでない視線が、再びあたしを射ぬいた。
「レミ、舟本に証言を取りに行ったのお前だろ」
ぐぐっ。
なんでわかったのだ。
「舟本の鼻あかしてやりたくてオレを呼んだワケか」
「だ、だってさ」
あたしは舟本にアリバイを聞かされた時のことを思い出した。
「朝だったし、怒鳴りあいでもしてくれれば良かったんだけどね」
「窓ガラスが割れた音は?」
「ガラスにセロテープを使った細工がしてあってね、そのせいで割れた音がしなかったのよ」
あたしは現場写真を達郎に見せた。
達郎は「なるほど」とうなずく。
「動機があってアリバイも穴だらけ。なのに逮捕できる証拠はなし。確かに、もどかしいな」
「そう、それなのよ」
あたしは手を叩いた。
「だから達郎、あんたの出番ってワケ」
つとめて明るく振る舞い腕なんか組んでみる。
すると達郎の穏やかでない視線が、再びあたしを射ぬいた。
「レミ、舟本に証言を取りに行ったのお前だろ」
ぐぐっ。
なんでわかったのだ。
「舟本の鼻あかしてやりたくてオレを呼んだワケか」
「だ、だってさ」
あたしは舟本にアリバイを聞かされた時のことを思い出した。