日の当たらない薄暗い中
笑う道化(まもの)がこちらを見ている
「君は言った、愛していると」
「お前は言った、一緒にいたいと」
「兄さんは言った、香我美を愛していると」
「右桜は言った、香我美と一緒にいたいと」
「俺は思った、二人の願いを叶えたいと」
「俺は思った、二人の望みを叶えようと」
両頬をなぞられ、口付けをされる
二人の吐息がかかり、弄ばれるように首筋に指が這った
「「永遠、永久、永劫、永続。離れず、離さず。俺は“二人”を愛し続けよう」」
重なった声
恐怖が凍てつく声色は、色を付けるなら紅
楽しく笑う狂喜色でありながら、耳(め)が離せない深紅だった


