男としてのプライドも愛のために曲げて、私を敬うぐらいに彼の愛は深かった
会いたいと言えば、仕事を休んでまで来てくれるし
これ買ってと言えば、借金してまで買ってくれたこともあった
私のために何でもしてくれるのだから、手放すには惜しい
使い道がありすぎる彼だからこそ私は彼が『好き』なんだろう
「寒いだろ。車、暖房きいているから」
小さなてんとう虫の助手席のドアを開けられた
乗れば、暖かい
けど、狭い
彼としては
『香我美が近くに感じられるから良い』
みたいな理由で狭さにプラスをしているが
私には嫌な車だ


