右桜(ひだり)の手に斧一つ
左桜(みぎ)の手にのこぎり一つ
巨大なそれは牛の解体ショーでもやるかのように派手で、殺傷能力など充分に高いと見て分かった
これが焦りの原因
牛とか、切る獲物なんてこの部屋にはない
だったら、『何』を切るのか
「……!」
知りたくない事実を知り、信じたくないと乱れた
暴れに暴れる
叫ぶに叫ぶ
でも、どれもが無意味
相変わらずの体の不具合
体は拘束され逃げられないし、抵抗しようにも体が上手く動かない
悲鳴すらも、声帯が機能してないのか叫べない
こんなにも、怖いのに――っ!


