でも、手と同じ
正座して、痺れた足を動かしたかのように感触がない
脳ではこうしろと命令している
五感が成立してこそ、初めて人間は『結果』を感じるんだ
なのに、何も感じない
脳で命令して、動かして、なのに、なのに、なのに――!
触感だけが無くなった異常に錯乱する
過呼吸めいた焦燥感で我を見失いそうになる時
「もういいかな、兄さん?」
「いいんじゃないのか」
この様子を待ってましたと言わんばかりに、双子は初めて動いた
ベッド下の収納スペースから何かを取り出して
「――――」
私が一番に恐怖したのがここだった
見ただけで、全神経が凍りつく
黒く稲光(いなびかり)するそれは、明らかに『人間相手』に使うものじゃなくて
銀に輝くそれは、明らかに『人間相手』には不釣り合いの代物で
「さあ、君の願いを」
「ああ、叶えてやろうか」


