「兄さんは君に愛されると幸せになれるから」
「右桜はお前に愛されると喜ぶからな」
「“愛する者”の笑顔は大歓迎なんだ」
「だから、お前と右桜が笑えるならそれで構わない」
「だから選ばなくていい」
「だから選ばなくて構わない」
だからで締めくくられたことに絶句する
二股されて怒っていない
怒りの感情が抜けているんじゃないのかと思ったけど
“愛する者”が一人じゃないのは相手も同じだった
右桜左桜ともにお互いに愛を持っている
兄弟愛とは違うと、さっき私は知ったばかりだ
強いて言えば、私に向けられた想い同様
執着的なそれが伝わってきた
相思相愛以上の言葉なんてどこにもないから例えられない
二人で一人
二つの存在だからせめて一つに近いカタチになろうとする模様は、縫い合わせた人形を思い出させた


