ヤンデレ双子に愛されて



交互に話す彼らは現実味を感じなかった


幻想と言えば、そう

二つで一つの人形が喋り出すような光景は、童話的ながらも不気味な幻想であった


下がる

後ろは壁しかないと知っても、距離をとりたかった


「香我美、どこ行くの?俺たちはこっちだよ」


いやだ
――言葉が出た


「香我美、そっちじゃないだろ。お前が好きな俺たちはこっちだ」


やだ、やだ
――溢れ出し


「おいで。楽しもうよ」


やだ、いや、いや
――連呼し


「楽しもう。三人でな」


いやだ、いやだ、いや
――叫ぶ頭に霞みが入った



立ち眩み
膝が曲がり、逃げる足が床に着く


上体すらもまっすぐに出来ず、億劫に感じられた