ヤンデレ双子に愛されて




(四)


「だから今日一日、私の部屋にいてって」


石鹸の芳香剤が香るトイレの中


鏡の前で電話をする私の顔は苛つきしか出ていなかった


じゃらじゃらのストラップが煩わしいなんて思ってしまうぐらいに、今の私は焦っている


「最近さ、なんか変な奴に追っかけ回されているから。嫌じゃない、私がいない内に部屋に誰かが入ったら。

だから変わりに私の部屋にいてよ」


焦りのためか、妙に声にトゲがある


けど、通話相手は熱心に私の話しを聞いていた


『そう、分かった。安心していいよ。俺がずっといてあげるから』


いきなりの部屋にいて発言にも、通話相手の右桜は快く引き受けてくれた


鏡に映る私の表情が和らいだ