「だから……」 右桜がいるではないかと言おうとしたが 「お前の願いだろ?」 手を握られ、引っ張られた 断固として彼は私の願いを叶えたいらしい 嘘の願いだが言ってしまったからには彼はそう受け止めてしまった 今更、あれは冗談だなんて言えないし、言えるわけもない 言ったら、また怖い思いをしてしまう 拒むことなら拒める でも、今の私は彼に従うしかなかった 怖さとは呪縛のように私の抗いを押さえる ――ああ、たまにはいいか 彼の願いを叶えてやるのも