友達がいないのか、左桜が話すことは右桜のことだったり
話題がないのか、右桜が話すことは左桜のことだったり
互いに互いを信頼しているのは二人を相手している私がよく知っていた
仲睦まじい兄弟では済まされないような、もうしかしたら私に対する想い並みに互いを必要としているのか
気色悪い
だが、使えるので気にしないでいたけど
「お前の願いは聞けるが、叶えられないことだってある。すまないな、他のことならいくらでも叶えてやるから」
「べ、別に気にしてないから……」
恐怖が残る
意も知れぬ畏怖は収まりがきかないらしい
無理に作り笑いを浮かべれば、彼は良かったと笑みを返す
「なら、お前の願いを早速叶えよう」
「え……?」
「忘れるな。ずっと見ていたいっていう願いを叶えてやる」


