聞いたことが頷かれた
馬鹿だ、この人は
眉間に手を置くなんてベタな呆れが出てきてしまった
「弟さんがいるのに、一緒に住もうだなんてよく誘えるわね」
バレるバレない以前の問題
断り方を考えたり、焦る必要もなかった
れっきとした『行けない理由』があるのだから
「似たようなこと言うけど、恋人だけの空間に別の誰かがいるなんておかしいじゃない。
一緒に住もうって言うんなら、せめて一人暮らしになってからしてよ。
――私はね、左桜と二人だけの部屋に住みたいの」
後半の言葉には流石と自賛したくなった
これだけのことを言えば――というか、これ以上の『行きたくない言い訳』なんかない


