「左桜(さおう)!」
軽く手を上げて、『来たよ』を強調した
私に気付いた彼も手を上げているが、どこか恥ずかしげな雰囲気を出している
「早いな」
が、第一声
ツッコミどころがありすぎる言葉は、やはり物申したくなった
「早いって、左桜の方が先にいたじゃない」
「俺に限ってはいつものことだろう」
「それは確かに待ち合わせはいつも左桜が先に来てるけど……。因み、何分前に来たの?」
「一時間前だ」
「いっ、いち……!」
分前を超え、短針が動く前に来ていたらしい
二十分前で健気さを演出しようとした私を上回る人物


