「……よし、大丈夫か」
物陰からの確認
見たのは彼の左腕だ
茶色の皮の腕時計
それを左腕にしている彼は紛れもなくさっきの男とは別人
左利きである右桜が右腕に時計をしていたのと違って、右利きの彼は左腕に時計をしている
色での判別もついた
右桜と同じように『ずっとつけて』という言葉とともに贈った腕時計
間違えないための保険だ
まったく、ただでさえ同じ顔と身長体格なのに格好まで同じだなんて怒りも覚える
服の好みが一緒だとしても違うのを着たらいいのに
しかもどんな確率か、さっきの右桜と同じだなんて
溜め息を吐き、いつまでもこうしていられないと私は彼に近付いた


