「いかれ……?それは確かに、彼女を殺したとなればそうですが」
「いやなに、そっちもあるが。今回のは更に上だ。……可哀想に。生きたまま、腕ぇ切られちまってる」
壁に垂れる血を目で追う
二本管のような血痕、拘束されそのままばさりといったところかと国本は推測していた
殺した相手を『拘束』する必要はないし、こんな血痕の付き方は切られた腕がしばらく吊されていた証拠
血の量からしても相当、殺傷切断をしたに違いなく
「バラバラだ……。ったく、いけ好かないね、どうも」
苦い顔のまま、国本は立ち上がった
改めて、この部屋の全貌を見る
広い部屋に家具が二つずつ、綺麗な左右対称になっている
同じ事件現場はないと言うが日常からしての異質さがよく伝わり
「千葉、菊池香我美についてだが。捜索願いしか出されてないのかい」


