天然店員は俺様王子



「今日は瑠雨も学食行くの!? やったねっ!」

「うわ! ちょっと透……」


キョウに連れられて廊下に出ると、透がピョンピョン跳ねて抱き付いてきた。


「じゃあ瑠雨の財布も持ってくるわね。透たち先行ってていいわよ」

「了解ーっ!!」

「俺待っとるからな! 彼氏やからな!」

「当たり前でしょポチ」

「犬扱いすなぁぁああ!!!!」


いつもの如く騒がしい人たちに、言葉を掛けるタイミングを失う。


……どうしよう……本当にあたしまで混ざっていいのか……。


戸惑っていると、キョウと目が合った。


優しく微笑んでくれたことに何とも言えない気持ちになると、いきなり透に手首を引かれる。


「学食まで競走! 負けた方が飲み物奢るゲームッ!」

「はあ!? ちょ……待て透!!!」


走り出した透の背中を慌てて追う。そんな自分がいることに未だに慣れないけど、がむしゃらに走った。



……これじゃあまた、透たちの思うつぼだな。



あたしはいわゆる一匹狼って奴だった。


人を寄せ付けないキツイ外見と、指定制服じゃない服装。


口が悪くすぐ手が出ることもあって、教師から生徒まで衝突することもしばしば。