天然店員は俺様王子



「瑠雨とレオがねぇ……楽しみが増えたわ」


フフっと黒いオーラ全開で笑う奈々の楽しみって、何?


分からないけどものすごく嫌な予感がすることは確か。


「とにかくあたしは復讐する! アイツのケツに渾身の蹴りをお見舞いしてやる!!!」

「――ぶはっ!!」


憎たらしいアイツに復讐宣言をした瞬間、背後から笑い声が聞こえた。反射的に振り返ると、肩を震わせて俯いている男子が1名。


「キョウだ~っ」

「あら、どうしたの?」

「キ、キョウ……!」


今の聞かれた!?


「ぷっ……あははっ! ゴメン瑠雨」


顔を上げてあたしに謝ったのは、1個上のキョウ。


色素が薄い茶髪と二重の瞳は、イギリスのクォーターだからだと聞いたことがある。


笑い上戸で、優しい先輩。


「笑い過ぎ!!!」


あたしたちに近付いて、まだ肩を震わせるキョウの背中を叩く。


「ゴメンゴメン。だって教室入ったらケツとか叫んでるから……ぷくくっ」


恥ずかしすぎる! 穴があったら入りたい! キョウの前でケツとか……!


「キョウ、何か用事?」


うなだれてるあたしの膝で、透が足をプラプラさせながら問いかけた。