天然店員は俺様王子



「とにかくムカつくんだよ!!! しかも唇なっ舐められるし……っ! もう最悪! キモすぎる!」


思い出しただけで鳥肌がっ!


「いいわねぇ。青春ね」


頬に手を添えてウットリする奈々に唖然とする。


何が!? どこが青春!? アイツのせいであたしの青春は汚れた!!!


「ちぃ君もやるなぁ~。瑠雨にアタックするなんてっ」

「透まで何ふざけたこと言ってんの!?」


てか何で怒んないわけ!?

この話聞いたら普通怒ったり同意してあのナルシスト超キモッ!とか言ってくれるんじゃないの!? ていうか言え!


「楽しそうで羨ましいわ」

「はぁぁあ!? からかわれてんだよ! あんなチャラチャラした奴大っっ嫌い!!!」


何度でも言える。大っっ嫌い! ふと見せる優しさも不意に笑うあの笑顔も、全てが嘘の固まり!!


自分でも感じるほどムスッとした表情を崩さずにいると、奈々がクスクスと笑ってきた。


「レオはいい男よ? どっかのバカなお調子者とは違って」

「ちぃ君本当は優しいんだよー? あたしも前助けて貰ったもん!」

「あぁアレ、傑作だったわよねぇ……昴の愕然とした顔。ふふっ」

「オーラが黒いです奈々……」


アイツがいい男とか普通に話してるふたりの神経を疑う。


「信じらんない……騙されてんじゃないの!? いくら外見は良くても、アイツの中身は悪魔!!」


そう必死に訴えているというのに、奈々は楽しげに綺麗な唇を開いて微笑む。