4人組に絡まれて、あまりのしつこさに殴ってしまったら、車で連れ去られそうになったこと。
そこでアイツが助けてくれて、家に連れてかれたこと。
でもやっぱりムカつく奴で、次の日の朝送ってもらい、唇を舐められたこと。
とにかく、後々そんな話は聞かなかったけど?なんて奈々に恐怖の笑顔を向けられないように、洗いざらい話した。
だけどそれよりも話してる内に怒りが込み上げて、あたしは声を荒げていた。
「ホンットあの男! あたしが絡まれてんの楽しげに傍観してたんだよ!? 有り得ない! 鬼! 冷酷!!」
「でも結局助けてくれたんでしょ?」
あたしに振り返りながら透が言うけれど、肯定だけでは済まされない。
「あたしが目で訴えたんだよ! 助けてって! そしたら助けに来るとか、意地汚いにもほどがある!」
「あら、いいじゃない。世の中ギブアンドテイクよ? 瑠雨」
「そういう話じゃねぇの! 大体家に行ったら行ったで超俺様だし、かと思えば優しかったり! 油断してるとショッボイ悪戯してくるし! 子供かっつーの!!」
思い出しただけでもはらわた煮えくり返るわっ!!
「確かにちょっと意地悪だけど、ちぃ君は優しいよ?」
「そんなもん幻覚だから透」
あたしだってちょっとは優しいのかなとか思ったけど、あれは油断させるための嘘!
騙されたあたしがバカだった!



