天然店員は俺様王子



「ちょっと瑠雨ぅぅう!!! どういうこと!? 何で泊まったの!? ラブ!? まさかラブ!?」

「お黙り透」

「はひ……っ」


一瞬で縮こまる透の横で、黒いオーラを纏って妖艶に微笑む奈々。


あたしが校内で言葉を交わす、数少ない内のふたり。


「それで? 何があったのかしら。任せてちょうだい。私が解決してあげるわよ」


微笑みながらあたしの前の席に移動して腰掛ける奈々は、絶対楽しんでる。


「ちぃ君の家に泊まったんだってさっ」


透は机に鞄を置いて、あたしの膝の上に座った。152センチの透は165センチ以上あるあたしの腕にすっぽり収まる。


「あら、レオの家? ……知り合いだったかしら?」

「うーわっ。奈々までアイツのこと知ってんの?って、……透たち常連なのか」

「奈々、翔太から聞かなかった? 瑠雨がちぃ君のこと殴ったって、昴に話したんだけどなぁ」

「ショータ? なぁにそれ。地球外生物?」


ニコッと笑う奈々に背筋が凍る。


あたしは身の危険を感じそろりと奈々から視線を逸らすが、透は「もーっ!」と説教する気満々。


「早く仲直りしなよ! 謝れば済む話なんだからっ」

「嫌よ。何で私が謝らなきゃならないのかしら。しかもレオが殴られたのは知ってたけど、瑠雨だなんて一言も聞いてないわよ。あのバカ」


ツンッとそっぽを向く奈々は、つくづく素直じゃない。