「ふーん。マジで近ぇのな」


あのコンビニから車で5分もかからない場所に、瑠雨の家があった。


俺の家からも車で15分くらいの場所だけど、用もないから来たことがない住宅街。


和風で、瓦屋根……盆栽あるよオイ!!!


吹き出しそうになると、隣から冷ややかな声音が掛けられる。


「見ないでくれる」

「……あのなぁ。お前は礼も言えねぇのかよ」


そう呆れ気味に言えば、瑠雨はツンッとそっぽを向いた。


「どーも」


可愛くねーーっ!!!


あまりの可愛げのなさに、再びこの生意気なガキを跪かせたいという欲求に駆られる。


「はぁ……。いいわ、何かもう。お前は俺が嫌いなことがよく分かった」

「……何いきなり」

「別に。早く降りろよ。バイト遅刻すんだろーが」

「…………」


瑠雨の顔も見ずに言えば、ゴソゴソと荷物を持ち出す音が聞こえる。


「……ねぇ」

「何」


心底面倒くさそうに口を動かすと、いきなりジャケットの襟を掴まれた。