「キッチン借りるから」
え? 疑問形じゃなくてもはや肯定? 決定? 俺に拒否権ねぇの?
「冷蔵庫の中見るから」
「……ホントに作れんのかよ」
不味そうだったら俺食いたくねぇよ。食中毒とかマジ勘弁。
「アンタって本当に失礼だよね」
今にも舌打ちしそうなくらい眉間に皺を寄せて言う瑠雨は立ち上がって、キッチンへ向かった。
「…………」
「ちぃー。瑠雨が固まって動かねぇんだけど」
瑠雨の後を追ってキッチンに向かった隼人が、可笑しそうに言う。
「失礼なのはどっちだよ、瑠雨」
俺はミルクティーが入ったマグ片手にドアへ寄りかかり、冷蔵庫を開けたまま固まってる白い背中を見つめた。
「……何なの、この品揃えの良さ」
「おい。どーせろくな材料ねぇんだろ、とか思ってただろ。ナメんな」
冷蔵庫の中にはありとあらゆる材料が所狭しと並んでいる。



