「あたし猫じゃないんだけど!!!」
「じゃあとっとと入れよ。玄関で騒がれても迷惑」
立ち上がってキッチンに向かいながら言えば、隼人がムスッとしてる瑠雨を促して、やっとふたりは部屋に入った。
俺は冷蔵庫を開けて2リットルのミルクティーを取り出すと、黒のマグカップを持って部屋に戻る。
「ちぃー。スウェット貸して」
勝手に人のクローゼット漁ってんじゃねぇよ。
「千円」
「たっか!!! レンタル料たっか!」
瑠雨はワインレッド色のソファーに座らず、寄りかかって気まずそうにしていた。
「おら」
「……え」
黒い四角のテーブルにミルクティーとマグを置くと、瑠雨は怪訝そうに見上げてくる。
「え、じゃねぇよ。紅茶落としてただろ」
隼人に買ってもらった紅茶、絡まれた時に手首を掴まれて地面に落としてただろーが。



