天然店員は俺様王子



「お邪魔しまーっす」


通ってる大学経営の5階建てアパートの1番上。最奥の部屋が俺の家だ。


「汚したら殺す」

「こっわ!!! 瑠雨入れよ、遠慮することねぇからさ」


家の前まで来といて今更躊躇う瑠雨を無視して、俺は我が家に足を踏み入れる。


玄関を入ってすぐ左にキッチンや冷蔵庫、右に洗面所や風呂場。


廊下と言えるのか謎なくらい短い距離を歩いて、部屋に入る。


俺はすぐにクローゼットを開けて部屋着に着替えたけれど、隼人と瑠雨は未だに玄関でくすぶっていた


「――チッ、チッ、チッ」


俺は部屋のドアを開けてしゃがみ込み、舌打ちと共に床を人差し指で叩く。


視線の先にはもちろん、野良猫。