天然店員は俺様王子



「――あ? 何だおま……っ」


微笑みを携えたまま近付いた俺の足元には、すでにひとりの男が横たわる。


警戒する暇も呆気に取られる暇も与えずに、残る図体がデカいだけの3人も殴り倒した。


様子を見る間もなく瑠雨の細い手首を掴んで、コンビニの駐車場から出ようとしてる俺の車へ走る。


後部座席に瑠雨を押し込んでから俺が乗り込むと同時に、隼人が車を発進させた。


「やれば出来るじゃんちぃ!!!」


運転席でハシャぐ隼人を尻目に、俺は目の前にいる瑠雨を見つめた。



微かに息切れして肩を上下させる瑠雨の背中に、口の端が上がる。


野良猫、ゲット。