天然店員は俺様王子



「っちゃ~……瑠雨何やってんだよー……」


肝心な瞬間を見逃したが、考える必要もなく容易に想像出来た。


瑠雨に殴られたんであろう男が、コンビニの外に設置されたゴミ箱に衝突。


おいおいおいおい。
大の男がのびてんぞ。


どんっだけ強いんだよ。つーかどんだけパンチ力あんだよ。


「女じゃねー……」


ひとりはのびた奴を揺さぶり、残りの2人は瑠雨の腕を掴んで引っ張っている。


それに抵抗する瑠雨の罵声が微かに聞こえた。


「あーあ。完全に怒らせちまって」

「ちょ、ちぃ!!! 何でまだロック中!? つか何でビクともしなくなってんの!?」

「あ? 運転席からじゃねぇと鍵開かなくしてっから」

「鬼かお前はぁぁぁぁ!!!!!」


今のお前の方が鬼に見えますけど。