「あ! おいちぃ!!」
「気安く触んな」
バシバシと俺の肩を数回叩いた隼人はフロントガラスの外を指差す。
なんだよ……。
「っちゃ~……ほら見ろ。やっぱナンパされてるじゃんよ!」
隼人は溜め息を付いてドアを開けようとしたが、ガシャンと音をたてて直ぐ様ドアをロックした。
「は!? 何すんだよちぃ!」
ガシャン!!ガシャン!!と解除とロックの音が交互に響き、イラッとした俺は隼人のみぞおちに拳をめり込ませる。
「しつけぇんだよヘタレ!」
「何で? なあ何で今俺が殴られなきゃいけねーの? うっぷ……」
「吐いたらもっかい殴る」
俺はハンドルに腕を乗せて外を観察する。
帰ろうとした瑠雨を4人の男が囲んだ、面白そうな空気満々の様子を。
「ちぃー……」
瑠雨は4人の男を無視して歩き出すが、当たり前にすぐ囲まれていた。



