「聞いたぜ~? 昨日ちぃのこと殴ったんだってな」


ニヤニヤしてんじゃねぇよヘタレ。殴ってやろうか? そのムカつく笑顔、歪ませてやろうか?


「殴られて当然でしょ」

「まぁまぁ。俺らにも事情ってもんが……」

「あたしには関係ないし」


隼人は苦笑いして俺を見る。


この女……ホントどうしてくれよう……。


「350円のお返しでーす」


隼人は釣り銭とレシートを受け取り、瑠雨に紅茶を渡しながら出入り口に向かった。


「隼人は何してんの」


コンビニを出ると、ペットボトルのキャップを開けながら瑠雨が問い掛ける。


「ちぃの家行くとこ。一人暮らしを邪魔しにー……って、瑠雨も来れば?」


はぁ!? 何勝手に……っ!


「誰が行くか。近付きたくもないし入りたくもないし絡みたくもない」


はぁぁぁあーー!? こいつ……! 完全に俺をナメてやがる!