「――あれ? 今の髪……瑠雨じゃね?」
「かもな」
隼人も気付き、飲み物のコーナーへ向かった瑠雨の後ろ姿を追う。
まじで何してんだ。オッサンが見掛けたと言った時間から、ざっと2時間以上は経ってんぞ。
「瑠雨!」
早々とレジに向かった瑠雨に隼人が声を掛けると、華奢な背中はぴくりと反応する。
「……あ。隼人?」
「偶然! 何してんだよ、こんな遅くに」
隼人は瑠雨の紅茶をカゴに入れて「一緒で」と店員に告げた。
「ありがと。あたしは翔太のイベントに透達と行って、その帰り…………げっ!」
遠目で見ていた俺にやっと気付いたと思ったら、「げっ!」だと?
「……よぉ。暴力女」
「隼人までアイツと友達!? ……ああ、そういやバイト先あのパスタ屋だったね」
シカトか!!!



