「ああ、奈々じゃなくて瑠雨か」

「そうそう!! その子!こんな夜遅くにひとりで何してたのかしらねぇ?」

「透とかと遊ぶんじゃねぇの? アイツら金曜の夜から土曜の朝までオールすることザラじゃねぇし」

「そうなの? 王子と朝まで一緒なんて……何て贅沢」


いや何夢見てんだよオッサン。

朝までオッサンと一緒にいたら命尽きるわ。全人類例外なく生気吸い取られてミイラになるわ。


ふたりの会話に参加せず腕時計を見ると、日付が変わって30分以上経っていた。


……そういやアイツ、前も夜中にコンビニの前にいたよな。


「帰るぞ隼人」

「おー。じゃ、店長お疲れー」

「気をつけて帰りなさいね。レオッ! 今度あたしをドライブに連れてってねぇ~」

「ああ、引きずってやんよ」

「死んじゃうわよぉぉ!!!!」


ショックを受けるオッサンに、隼人と笑いながら店を後にした。